注文住宅事業への進出を、いつ頃から考えていましたか。
注文住宅事業に進出することは、16年前、この会社を設立した時から考えていました。事業の柱がアパート建築だけでは、会社が存続できないことが、目に見えてました。
なぜ、アパート建築だけでは、会社が存続できないと考えたのですか。
人口予測から考えて、長期的には、賃貸アパートが供給過剰になるのが明らかだったからです。「賃貸アパート開発市場の規模は、平成25~30年頃には頭打ちになるだろう」ということは、私が大手賃貸アパート開発管理会社に勤めていた、平成5年頃から言われていたことでした。 ただ、会社を成立した平成8年当時は、賃貸アパートの開発需要が、まだ順調に伸びていました。ですので、注文住宅への進出は、まだ遠い将来の課題と考え、具体的な行動は起こしていませんでした。 実際に行動し始めたのは、3年前の、平成21年からです。
注文住宅事業進出に向けて、行動し始めたきっかけは何でしたか。
一つは、賃貸アパート開発市場の頭打ちが、目に見え始めてきたことです。福井では、既に賃貸アパートの入居希望者100人に対し、空室が150室出ている状況でした。もう一つ大きかったのが、私の入院です。 平成21年、突然の病気で、約1ヶ月仕事から離脱しなければならなくなりました。その時、さすがに考えました。このまま俺がいなくなったら、この会社、消滅してしまうぞって。 賃貸アパート建設の契約は、地主さんとの深い人間的つながりができて、はじめていただけるものです。入社したての若い営業マンが、1億円、2億円という規模になる仕事を、いきなりいただけるものではありません。 あと10年もすれば、私が重い営業カバンを持って地主さんのお宅に通うのも、難しくなるでしょう。私が先頭に立たなくても、若手を中心に伸ばしていける事業を、私に体力があるうちに立ち上げなければならない。病院のベッドの上で、そう決意しました。
若手を中心に伸ばせる新しい事業として、注文住宅を選んだのはなぜですか。
新しい事業として、注文住宅を選んだ理由は、3つありました。
第1に、長年アパート建築で培ってきた、当社の設計・施工技術を活かせる事業だからです。
第2に、アパート建築に比べると、若手にも営業しやすい商材だからです。注文住宅は、商品自体の魅力でお客様にアピールしやすいので、営業マン個人の力量に、頼りきらずに済みます。
第3に、若い社員達が、やり甲斐を感じられる事業だからです。アパート建築の場合、営業対象になる地主さんは、必ずしも積極的にアパートを建てたいと思っているわけではありません。注文住宅なら、営業対象になるのは、はじめから積極的に「家を建てたい」と希望されている方々です。そういう仕事の方が、若い社員達も楽しいだろうと考えました。とにかく、若い社員達が元気になれる会社にしたかったんです。
注文住宅への進出を決めた後、どう行動しましたか。
最初にFCへの加盟を検討しました。具体的な話にまで進んだFCが、2社ありました。 しかし、FC加盟には踏み切れませんでした。
なぜ、FCへの加盟に踏み切れなかったのですか。
一番大きかったのは、何でも本部の決定に従わなければならない仕組みを、窮屈に感じたからです。低価格路線のFCでは、お客様が満足する家づくりを追求する喜びがありません。価格競争に巻き込まれる不安も感じました。加盟料やロイヤルティーが高額で、メリットに見合ってないとも思いました。
フォーセンスの存在を、いつ、どのように知りましたか。
フォーセンスの存在は、平成22年6月に、ファックスDMで「高品位住宅供給パートナー募集説明会」の案内を受けて知りました。 ちょうど、FC以外の注文住宅ノウハウを探していたところだったので、興味を持ち、参加しました。 会場は金沢市でした。
フォーセンスの「高品位住宅供給パートナー募集説明会」に参加した印象はいかがでしたか。
家を美しく見せるための、明確なノウハウがあることが印象に残りました。このようなノウハウを、FCとは違う仕組みで提供するフォーセンスに、興味を持ちました。そこで、フォーセンスのシステムについて、詳しく説明してもらうことにしました。平成22年6月、フォーセンスの五十嵐チーフプランナーに当社を訪問してもらい、当社専務と注文住宅事業責任者の辻裏も同席の上、フォーセンスのノウハウやシステムについて、詳しい説明を受けました。
フォーセンスのノウハウやシステムについて詳しい説明を受け、どのように感じましたか。
フォーセンスのシステムは、我々のように注文住宅に新規参入する会社にとって、非常に役立つシステムだと感じました。
フォーセンスのどのような点が、注文住宅への新規参入に役立つと感じたのですか。
1つ目は、お客様に一目見て「カッコいい」と思っていただくための、明確なノウハウがあることです。
2つ目は、理想のマイホームを求めるお客様の“こだわり”に、きめ細かく、しかもリーズナブルに対応するノウハウがあることです。
3つ目は、営業マンがチームとして対応できる仕組みを、短期間で築けることです。
順々にうかがいます。1つ目、「お客様に一目見て『カッコいい』と思っていただくための明確なノウハウがある」とは。
注文住宅の分野では、当社の知名度はゼロでした。ですので、広告の写真がお客様の目にチラッと入っただけで、「こんな家が建てたい」と感じていただくことは、非常に重要でした。 フォーセンスの家は、他のどのFCやシステムの家より、お客様の「理想のマイホーム」のイメージにフィットしていると感じました。 また、フォーセンスでは、美しい外観写真や内部写真が豊富に用意されていて、チラシやホームページなどに、自由に使わせてもらえます。この点も、これから注文住宅に参入する我々にとって、ありがたいことでした。
地元の雑誌の住宅特集に掲載された、ランドマックスの注文住宅の紹介記事。写真はフォーセンスから提供されたもの。
2つ目、「理想のマイホームを求めるお客様の“こだわり”にきめ細かく、しかもリーズナブルに対応するノウハウがある」とは。
アパート建築の場合、オーナー様ご自身がそこに住むわけではありません。入居者の方も、一生そこに住むつもりで入居されるわけではありません。ですので、家の外観や内装や調度品などに、それほど高いデザイン性は要求されません。オーナー様がデザインに強いこだわりを持つこともまれです。注文住宅は違います。マイホームは、多くの場合一生の買物です。お客様それぞれ、家の外観や内装や調度品のデザインに、高い理想と強いこだわりをお持ちです。アパート建築を専門にしてきた我々にとって、注文住宅のお客様のデザインへのこだわりは、大きなハードルでした。フォーセンスには、このハードルを短い期間でクリアするための、さまざまなノウハウが用意されていました。まず、家の外観や内部を美しく見せるノウハウが、細部までマニュアル化されていました。お客様の好みやご予算に応じて、内装やキッチンなどを一つ一つお選びいただける価格表の開発法も、マニュアル化されていました。部材はすべて既製品ですし、仕入れコストの下げ方も、マニュアル化されていました。これだけのノウハウが用意されていれば、アパート建築から新規参入する我々にも、お客様に心からご満足いただける家づくりができる思いました。
3つ目、「営業マンがチームとして対応できる仕組みを短期間で築ける」とは。
「価格の出し方が、営業マンによって違う」という状態や、「価格の根拠が不明瞭」という状態は、お客様の不信につながります。適正な利益の確保や、経営の計画性という点でも、問題です。価格の計算方法が、きちんと表になっていれば、どの営業マンが対応しても、お客様に同じ回答と説明ができます。しかし、注文住宅に新規参入する我々が、こうした価格表を独力で開発するのは、ほぼ不可能です。注文住宅の価格には、建物の大きさ、形状、部屋の数、部材など、膨大な要素が関係してくるからです。フォーセンスの商品開発ノウハウは、この「どの営業マンが対応しても同じ回答と説明ができる」価格表を、数ヶ月で開発することを可能にするノウハウでした。注文住宅の営業経験のない若手を中心に、一つのチームとしてお客様に対応していきたい当社にとって、この価格表開発ノウハウの存在は、大きな魅力でした。FCと違い、地域のニーズや実際の仕入れ価格などに応じて自由に価格を決められる点も、魅力に感じました。
以上3つの理由から、フォーセンスが注文住宅への新規参入に最も役立つシステムだと確信し、「デザイン住宅開発マニュアル」の導入を決意しました。昨年平成22年の7月のことでした。
福井県福井市のランドマックス株式会社では、平成22年(2010年)にフォーセンスの「デザイン住宅開発マニュアル」を導入しました。代表取締役の井上 亮二氏(写真中央)と、フォーンス導入責任者の辻裏将人氏(写真左)に、フォーセンスのマニュアル導入の経緯と効果をうかがいました。